編みかけの編み物をほどきながら、
そういえば、小さいころよく大人の手伝いで
こんなことしていたなぁ、と思い出しました。
昔は毛糸が編みやすい「毛糸玉」で売られてなかったのかな?
お店から買ってきた毛糸は、「かせ」 というか
ゆるいOの形に束ねてひねってあるものが多かった。
それを2人でペアになって、
一人は両腕に「かせ」を通して持つ係、
もう一人は、そこから糸端を持って
くるくるくる、と巻いて玉にする係になるのでした。
よく、冬になると母に言われたり、
おじいちゃんおばあちゃんの家で、
叔母に「ちょうどいいや、くみちゃん、ちょっと手伝ってくれる?」と
声をかけてもらったりしたものです。
私は「かせ」を持つ係。
体が小さいから、
大きなかせを両手いっぱい伸ばしてよいしょと持ち、
毛糸玉を作る叔母と座布団を向き合って置いて、
さぁ、かせくり。
くるくるくる、とリズムにのって毛糸玉を作っていく叔母の手を
じーっと見つめながら、
手元の「かせ」から毛糸が少しずつほぐれていくのを見ていきます。
右手や、左手に糸端がひっかかると、
ぐっ、と糸に力がかかってしまうので、
「かせ」の上でひょい、ひょい、と踊りながらほぐれていく
糸端の位置を注意深く見ながら、
右手と左手に近づいてきたら、うまくするりと抜けるように
小さな手を、もっと小さくして糸の踊りを妨げないように
「かせ」を持つ角度も変えたりしながらお手伝いします。
叔母のテンポは、くるくるくるくる
私の手元の糸端の踊りは、ひょい、ひょい、ひょい。
時々糸がからんだら
「ストーーップ!」と手を止め、
じっくり糸のからみをほどいて、再開。
時々、長い長い毛糸のつなぎ目が出てくると
黙って見送りながら、なぜかうれしい。
「わー、上手だね」なんておだてられながら
気分よく、得意げにやっていたものでした。
編み物をしていると、
ささいな楽しいことをたくさん思い出す。
心配事があるときに編み物をすると
ちょいと気持ちが和らぐような気もする。
助けられることばかり。
編み物はイイデスネ。